二十八宿(にじゅうはっしゅく)とは?意味・読み方・吉凶完全ガイド

中国天文学由来の星宿暦注。今日の二十八宿・2026年カレンダー・計算方法・二十七宿との違いまで網羅

今日の二十八宿と明日の二十八宿

今日の二十八宿
2026年9月29日
室宿
北方玄武 ・ 七曜:火 ・ 神獣:猪(いのしし)
吉凶:吉
明日の二十八宿
2026年9月30日
壁宿
北方玄武 ・ 神獣:㺄(よく)
吉凶:吉

今後7日の二十八宿一覧

二十八宿(にじゅうはっしゅく)とは?意味・読み方・吉凶完全ガイドの一覧表
日付 曜日 二十八宿 吉凶 宮
9月30日 (水) 壁宿 吉 北方玄武
10月1日 (木) 奎宿 凶 西方白虎
10月2日 (金) 婁宿 吉 西方白虎
10月3日 (土) 胃宿 吉 西方白虎
10月4日 (日) 昴宿 凶 西方白虎
10月5日 (月) 畢宿 吉 西方白虎
10月6日 (火) 觜宿 凶 西方白虎

二十八宿とは

二十八宿(にじゅうはっしゅく)は、中国古代天文学で天球上の赤道付近を28の区画に分けた星宿の分割法です。月や太陽が天球を通過する道(白道・黄道)沿いの星座を28のグループに分け、それぞれに名称(角・亢・氐・房・心・尾・箕…)を与えました。

二十八宿は日々の吉凶を占う暦注として日本では貞享2年(1685年)の貞享暦改暦以降、公式暦に採用されました。それ以前の二十七宿(インド・ナクシャトラ由来)に代わり、中国系の二十八宿が日本の暦の標準となりました。現在もカレンダーや手帳の下段に「房宿」「角宿」などと記載され、婚礼・開店・埋葬など行事の日取りを決める際の参考にされています。

角宿
かく
七曜:木 ・ 蛟(みずち)
吉
亢宿
こう
七曜:金 ・ 龍(りゅう)
吉
氐宿
てい
七曜:土 ・ 狢(むじな)
吉
房宿
ぼう
七曜:日 ・ 兎(うさぎ)
吉
心宿
しん
七曜:月 ・ 狐(きつね)
吉
尾宿
び
七曜:火 ・ 虎(とら)
吉
箕宿
き
七曜:水 ・ 豹(ひょう)
吉
斗宿
と
七曜:木 ・ 獬豸(かいち)
吉
牛宿
ぎゅう
七曜:金 ・ 牛(うし)
吉
女宿
じょ
七曜:土 ・ 蝙蝠(こうもり)
凶
虚宿
きょ
七曜:日 ・ 鼠(ねずみ)
凶
危宿
き
七曜:月 ・ 燕(つばめ)
凶
室宿
しつ
七曜:火 ・ 猪(いのしし)
吉
壁宿
へき
七曜:水 ・ 㺄(よく)
吉
奎宿
けい
七曜:木 ・ 狼(おおかみ)
吉
婁宿
ろう
七曜:金 ・ 狗(いぬ)
吉
胃宿
い
七曜:土 ・ 雉(きじ)
吉
昴宿
ぼう
七曜:日 ・ 鶏(にわとり)
吉
畢宿
ひつ
七曜:月 ・ 烏(からす)
吉
觜宿
し
七曜:火 ・ 猿(さる)
凶
参宿
さん
七曜:水 ・ 猿(さる)
吉
井宿
せい
七曜:木 ・ 犴(あん)
吉
鬼宿
き
七曜:金 ・ 羊(ひつじ)
吉
柳宿
りゅう
七曜:土 ・ 獐(かのしし)
凶
星宿
せい
七曜:日 ・ 馬(うま)
凶
張宿
ちょう
七曜:月 ・ 鹿(しか)
吉
翼宿
よく
七曜:火 ・ 蛇(へび)
凶
軫宿
しん
七曜:水 ・ 蚯蚓(みみず)
吉

二十八宿の意味と読み方一覧

二十八宿それぞれの読み方・訓読み・宮・七曜(政)・神獣・吉凶・対応する現代星座を一覧にまとめました。

二十八宿(にじゅうはっしゅく)とは?意味・読み方・吉凶完全ガイドの一覧表
宿 音読み 訓読み 宮 七曜 神獣 吉凶 概要
角宿 かく すぼしほし 東方青龍 木 蛟(みずち) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、婚礼・開店・造作・田畑購入・文筆・就職・棟上に大吉。ただし埋葬には用いず、三年後に災いがあるとされる。
亢宿 こう あめふりほし 東方青龍 金 龍(りゅう) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、婚礼・結納・種蒔き・裁縫・物品の仕入れに吉。ただし造作(家を建てること)・建築・移行には凶とされる。
氐宿 てい ともほし 東方青龍 土 狢(むじな) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、婚礼・門立て・酒造り・種蒔き・開店開業・移転・石垣造りに吉。ただし造作・普請・着初め・衣類裁断には凶とされる。
房宿 ぼう そいほし 東方青龍 日 兎(うさぎ) 吉 日本の暦注では大吉宿とされ、婚礼・神事・造作・衣類裁断・開店開業・移転・旅行・建築など万事に吉。四宿の中でも特に縁起の良い宿の一つ。
心宿 しん ちとちほし 東方青龍 月 狐(きつね) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、神事・旅行・移転に吉。ただし造作は大凶、婚礼・葬式・埋葬も凶、盗難に注意とされる。用途によって吉凶が大きく分かれる宿。
尾宿 び あしたれほし 東方青龍 火 虎(とら) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、婚礼・開業・薬合わせ・造作・移転・普請に吉。ただし衣類裁断・着初めには厄ありとされる。
箕宿 き みぼし 東方青龍 水 豹(ひょう) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、普請・造作・動土・池掘り・納財・酒醤油造りに吉。ただし婚礼は大凶とされ「一年やもめとなる」との伝承がある。葬式も凶。
斗宿 と ひきつりほし 北方玄武 木 獬豸(かいち) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、動土・普請・造作・種まき・衣類裁ちに吉。ただし「他は用いず」とされ、これら以外の事は控えるべきとされる限定的な吉宿。
牛宿 ぎゅう いなみほし 北方玄武 金 牛(うし) 吉 日本の暦注では吉祥宿とされ、鬼宿に次ぐ吉日。神仏への参詣をはじめ万事に用いて吉とされる。特に午の刻(11時〜13時)を除いて大吉祥とされ、移転・旅行・金談など諸事速やかに進めるに吉。
女宿 じょ うるきほし 北方玄武 土 蝙蝠(こうもり) 凶 日本の暦注では大凶宿とされ、葬送は特に大凶。芸事始め・着始めのみ吉とされる。婚礼・衣類裁ち・移転・建築・葬式・訴訟事は凶。
虚宿 きょ とみてほし 北方玄武 日 鼠(ねずみ) 凶 日本の暦注では凶宿とされ、造作に用いれば必ず災ありとされる。ただし入学・学問始め・衣類裁ちには吉。相談事・造作・婚礼は凶。
危宿 き うみやめほし 北方玄武 月 燕(つばめ) 凶 日本の暦注では凶宿とされるが、用途により吉凶が分かれる。壁塗り・かまど作り・造作・酒造り・旅行・出張には吉。ただし衣類の仕立てには凶(毒薬にあうとの伝承)。婚礼も凶。
室宿 しつ はつひほし 北方玄武 火 猪(いのしし) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、婚礼・舟乗り・造作・神仏祭祀・祝い事・井戸掘りに吉。ただし葬式・埋葬・衣類新調は凶とされる。
壁宿 へき なみめほし 北方玄武 水 㺄(よく) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、造作・婚礼・衣類裁断・新規事・建造・埋葬に吉。ただし名付け(命名)には凶とされる。
奎宿 けい とりきほし 西方白虎 木 狼(おおかみ) 吉 日本の暦注では大吉宿とされ、婚礼・棟上・神仏祭祀・柱立て・井戸掘り・芸事始めなど万事に大吉。ただし移転・開店は控えるべきとされる。
婁宿 ろう やまひめほし 西方白虎 金 狗(いぬ) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、婚礼・造作・移住・移転・旅行・動土・相談事・衣類裁断・着初めに吉とされる。
胃宿 い えきえほし 西方白虎 土 雉(きじ) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、就職・婚礼・造作・開店開業に吉。ただし衣類裁断は大凶とされ、和服の仕立て等は厳しく避けるべきとされる。
昴宿 ぼう すばるほし 西方白虎 日 鶏(にわとり) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、手斧始め・造作・神仏祭祀・新規事業・相談事に吉。ただし動土・増改修は控えるべきとされる。
畢宿 ひつ あめふりほし 西方白虎 月 烏(からす) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、神事・祭礼・造作・不動産取得・井戸掘り・棟上げ・葬式・運搬始めに吉。ただし婚礼は特に凶とされ、衣類の着始めも避けるべきとされる。
觜宿 し とまりほし 西方白虎 火 猿(さる) 凶 日本の暦注では凶宿とされるが、入学のみ吉とされる特殊な宿。学問始め・稽古始め・仕事始め・杣入り(山伐り始め)には吉。それ以外の造作・着初めは凶。
参宿 さん からすきほし 西方白虎 水 猿(さる) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、物品仕入れ・婚礼・祝い事・養子縁組・造作・旅行・財宝求め・遠出に吉。ただし葬儀・埋葬・不祝儀は凶とされる。
井宿 せい ちちりほし 南方朱雀 木 犴(あん) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、神事・種蒔き・建築・動土・井戸掘りに吉。ただし葬儀・不祝儀は凶、衣類裁断は「離婚となる」との伝承から特に凶とされる。
鬼宿 き だいぼし 南方朱雀 金 羊(ひつじ) 吉 日本の暦法では「婚礼以外は万事に吉」とされる大吉宿。鬼が宿にこもって外に出ない日とされ、七箇の善日の一つ「鬼宿日」として特に開店・契約・財布購入・宝くじ購入に吉。ただし婚礼のみは「鬼がいる家に嫁が入る」との伝承から凶とされる。
柳宿 りゅう ぬるこほし 南方朱雀 土 獐(かのしし) 凶 日本の暦注では凶宿とされるが、修理・種まき・杣入り(山伐り)・物事を断るには吉。婚礼・建築・開店・葬式は凶とされる。
星宿 せい ほととぎすほし 南方朱雀 日 馬(うま) 凶 日本の暦注では凶宿とされるが、乗馬始め・治療始め・神仏祭祀・厩造りに吉。結婚・談判・葬式・埋葬は凶とされる。
張宿 ちょう ちりぎりほし 南方朱雀 月 鹿(しか) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、出行・就職・婚礼・種蒔き・養蚕・着初め・祝い事・移転・旅行・普請・造作・開店に吉とされ、万事に吉とされる大吉宿。
翼宿 よく すくべほし 南方朱雀 火 蛇(へび) 凶 日本の暦注では凶宿とされるが、種蒔き・耕作・樹木植え替え・旅行・出張には吉。ただし婚礼は「離婚となる」との伝承から特に凶、その他は控え目にすべきとされる。
軫宿 しん みつかけほし 南方朱雀 水 蚯蚓(みみず) 吉 日本の暦注では吉宿とされ、婚姻・建築・柱立て・移転・井戸掘り・埋葬など万事に吉。ただし衣類裁断は「火難となる」との伝承から凶、着初めも避けるべきとされる。
💡 ポイント:二十八宿の吉凶は「何に用いるか」によって解釈が変わる場合があります。例えば心宿は吉宿でも造作は大凶、箕宿は吉宿でも婚礼は大凶とされ、参宿は婚礼に吉でも葬儀・埋葬は凶とされるなど、用途別の解釈が重要です。逆に凶宿でも觜宿は入学のみ吉、虚宿は学問始めに吉など特定の行事には吉とされる場合があり、吉凶の境界は単純ではありません。

四宮(青龍・玄武・白虎・朱雀)

二十八宿は天空を四つの方角に分け、それぞれに神獣(四神)が配当されます。二十八宿では牛宿を含むため、四宮ともに7宿ずつで均等に構成されるのが特徴です。

東方青龍角・亢・氐・房・心・尾・箕の7宿

角 かく 蛟(みずち)
亢 こう 龍(りゅう)
氐 てい 狢(むじな)
房 ぼう 兎(うさぎ)
心 しん 狐(きつね)
尾 び 虎(とら)
箕 き 豹(ひょう)

北方玄武斗・牛・女・虚・危・室・壁の7宿

斗 と 獬豸(かいち)
牛 ぎゅう 牛(うし)
女 じょ 蝙蝠(こうもり)
虚 きょ 鼠(ねずみ)
危 き 燕(つばめ)
室 しつ 猪(いのしし)
壁 へき 㺄(よく)

西方白虎奎・婁・胃・昴・畢・觜・参の7宿

奎 けい 狼(おおかみ)
婁 ろう 狗(いぬ)
胃 い 雉(きじ)
昴 ぼう 鶏(にわとり)
畢 ひつ 烏(からす)
觜 し 猿(さる)
参 さん 猿(さる)

南方朱雀井・鬼・柳・星・張・翼・軫の7宿

井 せい 犴(あん)
鬼 き 羊(ひつじ)
柳 りゅう 獐(かのしし)
星 せい 馬(うま)
張 ちょう 鹿(しか)
翼 よく 蛇(へび)
軫 しん 蚯蚓(みみず)
🐲 四神相応:四宮は中国の「四神相応」の思想に基づきます。青龍は東(春・木)、玄武は北(冬・水)、白虎は西(秋・金)、朱雀は南(夏・火)を象徴し、中央には黄土が配されます。京都は「四神相応の地」とされ、東に鴨川(青龍)、西に山陰道(白虎)、南に巨椋池(朱雀)、北に船岡山(玄武)が配されるといわれます。

2026年(令和8年)の二十八宿カレンダー

2026年の二十八宿分布を以下のグラフで確認できます。二十八宿は「日干支+曜日」の組合せで決まるため、分布はほぼ均等(各宿13日前後)となります。

角宿
13日 (3.6%)
亢宿
13日 (3.6%)
氐宿
13日 (3.6%)
房宿
13日 (3.6%)
心宿
13日 (3.6%)
尾宿
13日 (3.6%)
箕宿
13日 (3.6%)
斗宿
13日 (3.6%)
牛宿
13日 (3.6%)
女宿
13日 (3.6%)
虚宿
13日 (3.6%)
危宿
13日 (3.6%)
室宿
13日 (3.6%)
壁宿
13日 (3.6%)
奎宿
13日 (3.6%)
婁宿
13日 (3.6%)
胃宿
13日 (3.6%)
昴宿
13日 (3.6%)
畢宿
13日 (3.6%)
觜宿
13日 (3.6%)
参宿
13日 (3.6%)
井宿
14日 (3.8%)
鬼宿
13日 (3.6%)
柳宿
13日 (3.6%)
星宿
13日 (3.6%)
張宿
13日 (3.6%)
翼宿
13日 (3.6%)
軫宿
13日 (3.6%)
📊 データ:2026年は365日間あり、二十八宿は「日干支+曜日」の組合せ表で決まるため分布はほぼ均等です。28宿×13日=364日で、残り1日分がいずれかの宿に割り当てられ、井宿が最多(14日)となります。

二十八宿の計算方法と順番

二十八宿は「七曜二十八宿」と呼ばれる計算法で決まります。日干支(十二支)と曜日(七曜)の組合せで宿が決定され、28日周期で順次ローテーションします。

二十八宿の順番

角 → 亢 → 氐 → 房 → 心 → 尾 → 箕 → 斗 → 牛 → 女 → 虚 → 危 → 室 → 壁 → 奎 → 婁 → 胃 → 昴 → 畢 → 觜 → 参 → 井 → 鬼 → 柳 → 星 → 張 → 翼 → 軫 → 角(循環)

「日干支+曜日」の組合せ表

二十八宿は「日干支(十二支)」と「曜日(七曜)」の組合せで決まります。例えば申・子・辰の組(三合)の場合、日曜日は虚宿、月曜日は畢宿、火曜日は翼宿…と規則的に割り当てられます。十二支を3つずつ4組に分け(申子辰・巳酉丑・寅午戌・亥卯未)、それぞれに28宿が配置されます。

二十八宿(にじゅうはっしゅく)とは?意味・読み方・吉凶完全ガイドの一覧表
日干支の組 日曜(0) 月曜(1) 火曜(2) 水曜(3) 木曜(4) 金曜(5) 土曜(6)
申・子・辰虚畢翼箕奎鬼氐
巳・酉・丑房危觜軫斗婁柳
寅・午・戌星心室参角牛胃
亥・卯・未昴張尾壁井亢女

計算の仕組み

  1. 新暦の日付から日干支(十二支)と曜日(0〜6)を求める
  2. 日干支の組(申子辰・巳酉丑・寅午戌・亥卯未)を特定する
  3. 上表の組合せで、その日の二十八宿が決定される
  4. 翌日は原則として次の宿に進むが、曜日が変わるため表に従って決定される
📝 メモ:当サイト「日本暦」では、この計算を自動的に行い日付ごとの二十八宿を表示しています。計算は貞享暦以降の公式暦で採用された「七曜二十八宿」の組合せ表に基づいており、日本の伝統暦法と一致することを検証済みです。

二十八宿と二十七宿の違い

二十八宿と二十七宿は同じ漢字名(角・亢・氐…)が使われますが、起源・構成・計算方法が異なります。

二十八宿(にじゅうはっしゅく)とは?意味・読み方・吉凶完全ガイドの一覧表
項目 二十八宿 二十七宿
起源 中国古代天文学 インド(ナクシャトラ)
宿の数 28宿 27宿
含まれない宿 (全28宿を含む) 牛宿を含まない
計算方法 日干支+曜日の組合せ表 旧暦の朔日に固定配当
朔日の宿 固定されない 月ごとに固定(正=室、2月=奎…)
分布 ほぼ均等(各13日前後) 不均等(月によって偏りあり)
日本での公式採用 貞享暦以降(1685年〜現在) 平安時代〜貞享2年(1685年)まで
現在の主な用途 一般暦・具注暦 仏教各派(日蓮宗・真言宗など)
典拠 『暦林』『日本暦日辞典』 『宿曜経』『密教占星法』
💡 覚え方:「二十八宿は中国由来で28宿・日干支+曜日で決まる、二十七宿はインド由来で牛宿なし・朔日固定」と覚えると区別しやすいです。日本では貞享2年(1685年)の貞享暦改暦で二十七宿から二十八宿へ切り替えられました。
※旧暦の月日に基づく占いや宿曜道で使われる「二十七宿(にじゅうななしゅく)とは」の違いについてはこちらをご覧ください。

二十八宿の歴史と起源

中国古代での成立

二十八宿の起源は古代中国に遡ります。紀元前5世紀頃の戦国時代には既に二十八宿の体系が成立しており、『周髀算経』や『史記』天官書に記載されています。月が天球を一周する約27.32日の軌道を28の区画に分け、それぞれに名称を与えました。中国の二十八宿は赤道付近の実際の星の配置に基づいており、季節ごとの月の位置から農事の時期を知るために用いられました。

日本への伝来

二十八宿の体系は飛鳥時代〜奈良時代に中国から日本に伝来しました。当時の暦である元嘉暦・儀鳳暦には二十八宿の暦注が記載されていましたが、平安時代に宣明暦が採用されると、二十七宿(インド・ナクシャトラ由来)が主流となりました。これは仏教の宿曜経を通じた二十七宿の影響が強かったためです。

貞享暦への切り替え(1685年)

江戸時代に入り、渋川春海(しぶかわ・しゅんかい)が作成した貞享暦(じょうきょうれき)が貞享2年(1685年)に公式採用されました。この改暦に際し、二十七宿は公式暦から外されて二十八宿へ切り替えられました。これは日本天文学が中国の二十八宿体系に統一されたことを意味し、約800年続いた二十七宿の時代が終わりを告げました。

📖 補足:貞享暦の改暦は、それまで約800年使われていた宣明暦に代わる、日本で初めて日本人が本格的に作成した暦でした。渋川春海は天文観測に基づく精度の向上を図るとともに、暦注の体系も整理し、二十八宿を公式暦に採用しました。

明治改暦と現代

明治6年(1873年)の改暦で太陽暦(グレゴリオ暦)に移行した後も、二十八宿は暦注として残されました。現在も一般のカレンダーや手帳の下段に「房宿」「角宿」などと記載され、婚礼・開店などの日取りを決める際の参考にされています。二十八宿は日本の暦文化の中で最も長く公式に使われている星宿暦注と言えます。

二十八宿と現代星座の対応

二十八宿は天球上の実際の星の配置に基づいているため、それぞれが現代の88星座の特定の星や星群に対応しています。代表的な対応を以下に示します。

二十八宿(にじゅうはっしゅく)とは?意味・読み方・吉凶完全ガイドの一覧表
宿 読み方 対応する現代星座 備考
角宿 かく
すぼしほし
おとめ座α星(スピカ) おとめ座の1等星スピカ(真珠星)として有名
亢宿 こう
あめふりほし
おとめ座κ・ι・φ星 おとめ座のκ・ι・φ星
氐宿 てい
ともほし
てんびん座α・β・γ・δ星 てんびん座のα・β・γ・δ星
房宿 ぼう
そいほし
さそり座π・ρ・δ・β星 さそり座の頭部(π・ρ・δ・β星)
心宿 しん
ちとちほし
さそり座σ・α・τ星 さそり座の心臓部・アンタレスを含む
尾宿 び
あしたれほし
さそり座ε・μ・ζ・η・θ・ι・κ・λ星 さそり座の尾(ε〜λ星)
箕宿 き
みぼし
いて座γ・δ・ε・η星 いて座(射手座)の弓の部分
斗宿 と
ひきつりほし
いて座μ・λ・φ・σ・τ・ζ星 いて座の南斗六星(μ・λ・φ・σ・τ・ζ星)
牛宿 ぎゅう
いなみほし
やぎ座β・α・ψ・ω・ζ・γ・δ星 やぎ座のβ・α星など
女宿 じょ
うるきほし
みずがめ座ε・μ・4・3星 みずがめ座のε・μ星など
虚宿 きょ
とみてほし
みずがめ座β・α星 みずがめ座・こうま座の境界付近
危宿 き
うみやめほし
みずがめ座α・β・θ・η星 みずがめ座・ペガスス座の境界付近
室宿 しつ
はつひほし
ペガスス座α・β星 ペガスス座のα・β星(アンドロメダとの境界)
壁宿 へき
なみめほし
ペガスス座γ・α星 ペガス座のγ・α星
奎宿 けい
とりきほし
アンドロメダ座η・ζ・ε・δ・π・β・μ星 アンドロメダ座・ペルセウス座の境界
婁宿 ろう
やまひめほし
おひつじ座β・γ・α星 おひつじ座のβ・γ・α星(ハムル含む)
胃宿 い
えきえほし
おひつじ座35・39・41星 おひつじ座の35・39・41星
昴宿 ぼう
すばるほし
おうし座プレアデス星団(すばる) おうし座プレアデス星団(すばる)
畢宿 ひつ
あめふりほし
おうし座ε・α(ヒアデス)星 おうし座ヒアデス星団(アルデバラン含む)
觜宿 し
とまりほし
オリオン座λ・φ₁・φ₂星 オリオン座の頭部(λ・φ星)
参宿 さん
からすきほし
オリオン座ζ・ε・δ・α・γ・β・κ星 オリオン座の腰带(三つ星)
井宿 せい
ちちりほし
ふたご座μ・ν・γ・ξ・ε・d・ζ星 ふたご座の足元(μ・ν・γ・ξ星)
鬼宿 き
だいぼし
かに座γ・δ・η・θ・β星 かに座(蟹座)の中心部
柳宿 りゅう
ぬるこほし
うみへび座δ・σ・η・ρ・ε・ζ・ω・θ星 うみへび座の頭部
星宿 せい
ほととぎすほし
うみへび座α星 うみへび座の心臓(アルファルド)
張宿 ちょう
ちりぎりほし
うみへび座ν・μ・χ₁・φ₁・φ₂星 うみへび座の中部
翼宿 よく
すくべほし
コップ座α・γ・ζ・η・β星 コップ座・うみへび座の境界
軫宿 しん
みつかけほし
からす座γ・ε・δ・β・α星 からす座(コルウス)の四角形
💡 天文学の観点から:二十八宿は古代中国の天文学者たちが夜空を観察し、月の通り道沿いの代表的な星々を選んで28のグループに分けたものです。特に有名なのは昴宿(すばる)で、おうし座のプレアデス星団にあたり、日本では万葉集や Subaru 自動車の名称としても親しまれています。また参宿はオリオン座の三つ星、心宿はさそり座のアンタレスにあたります。

よくある質問(FAQ)

二十八宿に関するよくある質問と回答をまとめました。

二十八宿とは何ですか?
二十八宿(にじゅうはっしゅく)は、天球上の赤道付近を28の区画に分けた中国古代天文学の星宿体系です。月の見かけの通り道(白道)や太陽の通り道(黄道)沿いの星座を28のグループに分け、それぞれに名称(角・亢・氐・房…)をつけました。日本では貞享2年(1685年)の貞享暦改暦以降、公式暦の暦注として採用され、現在もカレンダーの下段に記載されています。日々の吉凶を占う暦注として、婚礼・葬儀・開店などの日取りの参考にされています。
二十八宿と二十七宿の違いは何ですか?
二十八宿は中国古代天文学に由来し28の星宿からなる体系で、二十七宿は古代インドのナクシャトラに由来し牛宿を含まない27の星宿からなる体系です。両者は同じ漢字名(角・亢・氐…)が使われますが、計算方法が異なります。二十八宿は「日干支+曜日」の組合せ表で宿を決定するのに対し、二十七宿は旧暦の朔日に宿が固定配当されます。日本では貞享2年(1685年)以降、二十八宿が公式暦に採用されました。
二十八宿の計算方法は?
二十八宿は「七曜二十八宿」と呼ばれる計算法で決まります。日干支(十二支)と曜日(七曜)の組合せで宿が決定され、28日周期で順次ローテーションします。例えば申・子・辰の日曜日は虚宿、月曜日は畢宿、火曜日は翼宿…というように、12の地支と7つの曜日の組み合わせ(84通り)に28宿が規則的に割り当てられます。このため純粋な28日周期ではなく、曜日が関与するため実際の配当はより複雑です。
二十八宿で最も縁起の良い宿は?
二十八宿の中で吉宿とされるのは、角・亢・氐・房・心・尾・箕・斗・牛・室・壁・奎・婁・胃・昴・畢・参・井・鬼・張・軫の21宿です。中でも特に吉とされるのは、房宿(結婚・旅行・神事に大吉)、奎宿(万事に大吉)、角宿(婚礼・開店に吉)、畢宿(神事・不動産取得に吉)、牛宿(鬼宿に次ぐ吉日)、そして鬼宿(婚礼以外は万事に大吉)などです。特に鬼宿は「鬼宿日」として七箇の善日の一つに数えられ、開店・契約・財宝獲得に最も縁起の良い宿として知られます。鬼宿日の詳細はこちら。ただし、吉宿であっても「何に用いるか」によって吉凶の解釈が変わる場合があります(例:心宿は造作大凶、箕宿は婚礼大凶)。
二十八宿で最も縁起が悪い宿は?
二十八宿の中で凶宿とされるのは、女・虚・危・觜・柳・星・翼の7宿です。中でも特に凶とされるのは、女宿(葬送大凶)、虚宿(造作に災あり)、危宿(高所作業凶)などです。凶宿の日は婚礼・開店・埋葬などの重要な行事を避けるのが伝統的な習わしです。ただし凶宿であっても「何に用いるか」によっては吉とされる場合があります(例:虚宿は入学・学問始めに吉、觜宿は入学のみ吉、危宿は壁塗り・酒造りに吉、柳宿は修理・種まきに吉、星宿は乗馬始め・治療始めに吉、翼宿は種蒔き・耕作に吉)。
二十八宿は科学的根拠がありますか?
二十八宿は古代中国の天文学に基づく星宿の分割法で、天球上の実際の星の配置に対応しています。しかし、二十八宿による日々の吉凶判断は占星術・暦注の要素が強く、現代の科学的根拠に基づくものではありません。伝統文化として楽しむ程度に留め、過度に気にする必要はありません。重要な行事の日取りを考える際の「参考の一つ」として捉えるのが良いでしょう。
二十八宿は現在も使われていますか?
はい、二十八宿は現在も日本の一般暦(カレンダーや手帳)の暦注下段に広く記載されています。貞享2年(1685年)の貞享暦改暦以降、公式暦に採用され、明治6年(1873年)の太陽暦への移行後も暦注として残されました。現在でも婚礼や開店などの日取りを決める際に参考にする人は少なくありません。
二十八宿の読み方を教えてください
二十八宿の読み方は以下の通りです。角(かく)・亢(こう)・氐(てい)・房(ぼう)・心(しん)・尾(び)・箕(き)・斗(と)・牛(ぎゅう)・女(じょ)・虚(きょ)・危(き)・室(しつ)・壁(へき)・奎(けい)・婁(ろう)・胃(い)・昴(ぼう)・畢(ひつ)・觜(し)・参(さん)・井(せい)・鬼(き)・柳(りゅう)・星(せい)・張(ちょう)・翼(よく)・軫(しん)。日本では古くから訓読み(すぼしほし・あめふりほし等)も使われます。
二十八宿の四宮(青龍・玄武・白虎・朱雀)とは?
二十八宿は天空を四方に分け、それぞれに神獣(四神)が配当されます。東方青龍(角・亢・氐・房・心・尾・箕の7宿)、北方玄武(斗・牛・女・虚・危・室・壁の7宿)、西方白虎(奎・婁・胃・昴・畢・觜・参の7宿)、南方朱雀(井・鬼・柳・星・張・翼・軫の7宿)の4つに分かれ、各7宿ずつで構成されます。これは中国の「四神相応」の思想に基づきます。
房宿はなぜ吉宿とされるのですか?
房宿(ぼうしゅく)は「造作は田園進み、銭財牛馬山岡に満つ」とされ、田畑や財産の増加、婚礼では「嫦娥月殿に至り三年で子を抱く」と子孫繁栄をもたらす大吉宿です。東方青龍の第4宿で、兎(うさぎ)が配当され、七曜は日(太陽)に当たります。婚礼・開店・造作・埋葬など万事に吉とされ、二十八宿の中でも特に人気の高い吉宿です。
二十八宿の「すばる」とはどの宿ですか?
二十八宿の「昴宿(ぼうしゅく)」が、日本では「すばる」と呼ばれます。これはおうし座のプレアデス星団( Subaru )に対応する星宿で、七曜は日、神獣は鶏(にわとり)に配当されます。訓読みは「すばるほし」です。昴宿は凶宿とされ、埋葬や婚礼には不適とされますが、日本では「すばる」として万葉集など古典にも詠まれ親しまれてきました。
二十八宿はいつから日本で使われていますか?
二十八宿の体系自体は飛鳥時代〜奈良時代に中国から伝来しましたが、日本の公式暦に本格採用されたのは貞享2年(1685年)の貞享暦改暦以降です。それ以前は二十七宿(インド・ナクシャトラ由来)が主流でした。渋川春海が作成した貞享暦により、日本独自の天文学に基づく二十八宿体系が確立され、明治改暦後も暦注として現代まで受け継がれています。

※ 二十八宿の計算は貞享暦以降の公式暦で採用された「七曜二十八宿」の組合せ表に基づいています。吉凶の解釈は具注暦および『暦林』『日本暦日辞典』を典拠とします。二十八宿は伝統文化であり、科学的根拠によるものではありません。

暦の知識・計算ツール

開運日(かいうんび)とは?

天赦日・一粒万倍日・大安など縁起の良い吉日を一覧で