雑節(ざっせつ)とは?9種類の意味・日程・一覧完全ガイド
2026年の雑節日程・計算方法・風習・歴史まで網羅(国立天文台暦要項に基づく)
半夏生・土用・二百十日・二百二十日
今日の雑節と次の雑節
今後の雑節予定(5件)
| 日付 | 曜日 | 雑節 | 読み |
|---|---|---|---|
| 9月1日 | 火 | 二百十日 | にひゃくとおか |
| 9月11日 | 金 | 二百二十日 | にひゃくはつか |
| 9月20日 | 日 | 彼岸(秋) | ひがん(あき) |
| 9月21日 | 月 | 社日(秋) | しゃにち(あき) |
| 10月20日 | 火 | 土用(秋) | どよう(あき) |
目次
雑節とは
雑節(ざっせつ)は、二十四節気を補う形で日本独自に設けられた暦日のことです。二十四節気は古代中国で作られた暦ですが、日本の気候風土や農事に合わせるため、より細かな季節の目安として節分・彼岸・社日・八十八夜・入梅・半夏生・土用・二百十日・二百二十日の9種類が設けられました。
二十四節気が季節を24等分するのに対し、雑節は農作業の目安や宗教行事、生活の節目としての役割を持ちます。節分や彼岸のように現代でも広く親しまれているものから、社日や二百二十日のように認知度が低いものまでありますが、いずれも日本の暦文化を構成する重要な要素です。
9種類の雑節カード一覧
2026年の雑節一覧(国立天文台暦要項準拠)
| 名称 | 読み | 日付 | 曜日 | 時刻 | 算出方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| 土用(冬) | どよう(ふゆ) | 1月17日~2月3日 | 土 | 12:03 | 太陽黄経297° |
| 節分 | せつぶん | 2月3日 | 火 | 立春の前日 | |
| 社日(春) | しゃにち(はる) | 3月15日 | 日 | 春分/秋分に最も近い戊の日 | |
| 彼岸(春) | ひがん(はる) | 3月17日~3月23日 | 火 | 春分/秋分の前後3日 | |
| 土用(春) | どよう(はる) | 4月17日~5月4日 | 金 | 09:01 | 太陽黄経27° |
| 八十八夜 | はちじゅうはちや | 5月2日 | 土 | 立春から88日目 | |
| 入梅 | にゅうばい | 6月11日 | 木 | 06:13 | 太陽黄経80° |
| 半夏生 | はんげしょう | 7月2日 | 木 | 05:04 | 太陽黄経100° |
| 土用(夏) | どよう(なつ) | 7月20日~8月6日 | 月 | 00:47 | 太陽黄経117° |
| 二百十日 | にひゃくとおか | 9月1日 | 火 | 立春から210日目 | |
| 二百二十日 | にひゃくはつか | 9月11日 | 金 | 立春から220日目 | |
| 彼岸(秋) | ひがん(あき) | 9月20日~9月26日 | 日 | 春分/秋分の前後3日 | |
| 社日(秋) | しゃにち(あき) | 9月21日 | 月 | 春分/秋分に最も近い戊の日 | |
| 土用(秋) | どよう(あき) | 10月20日~11月6日 | 火 | 18:13 | 太陽黄経207° |
節分(せつぶん)
春 立春の前日(2月3日頃)
節分は「季節を分ける日」を意味し、本来は立春・立夏・立秋・立冬の前日すべてを指しましたが、江戸時代以降は立春の前日(2月3日頃)を指すのが一般的になりました。日本では豆まきを行い、「鬼は外、福は内」と唱えて邪気を払います。
意味と由来
「節分」は「季節を分ける」ことが語源で、各季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬の前日に当たります。古くは中国から伝わった風習で、季節の変わり目には邪気が入りやすいとされ、邪気や厄を払うものでした。立春は旧暦で新年の始まりとされていたため、特に立春の前日が重視されるようになりました。
風習
- 豆まき:炒った大豆をまき、「鬼は外、福は内」と唱える。豆を自分の年齢の数だけ食べると無病息災になるとされる。
- 恵方巻:その年の恵方(歳徳神の方角)を向いて、無言で恵方巻(太巻き寿司)を丸かじりする。大阪発祥とされ、近年は全国に広がった。
- 柊鯣(ひいらきいわし):柊の枝に鰯の頭を刺したものを玄関に飾り、鬼除けとする風習(西日本に多い)。
計算方法
立春(太陽黄経315度)の前日。立春は毎年2月4日頃であるため、節分は通常2月3日になりますが、立春が2月5日になる年は節分も2月4日になります。
彼岸(ひがん)
春 秋 春分・秋分を中日とする前後3日ずつ計7日間
彼岸は年に2回、春と秋にあります。春分・秋分の日を中日(ちゅうにち)とし、その前後3日ずつ計7日間を指します。あの世(彼岸)とこの世(此岸)が最も近づく日とされ、先祖供養のためお墓参りや彼岸会が行われます。
意味と由来
「彼岸」はサンスクリット語の「波羅蜜多(ぱらみた)」の漢訳で、煩悩を捨てて悟りに至る修行を意味します。仏教では、春分と秋分は太陽が真東から昇り真西に沈む日で、彼岸(西=極楽浄土)と此岸(東=現世)が最も近づく日とされました。中日を挟んで7日間で「六波羅蜜」の修行を完成させるとされます。
風習
- お墓参り:ご先祖様のお墓を参り、感謝を捧げる。
- 彼岸会(ひがんえ):寺院で法要が行われる。
- おはぎ・ぼたもち:春は「牡丹餅(ぼたもち)」、秋は「御萩(おはぎ)」と呼び分ける。小豆の赤色が魔除けになるとされる。
- 彼岸団子:団子を供える風習(地域による)。
計算方法
春分・秋分の日(太陽黄経0度・180度)を中日とし、前後3日ずつ計7日間。1日目を「彼岸の入り」、4日目を「中日」、7日目を「彼岸の明け」と呼びます。
社日(しゃにち)
春 秋 春分・秋分に最も近い戊(つちのえ)の日
社日は春分・秋分に最も近い戊(つちのえ)の日で、年に2回あります。春の社日を春社(しゅんしゃ)、秋の社日を秋社(しゅうしゃ)と呼びます。産土神(うぶすながみ)=その土地を守る神様にお参りし、春は豊作を祈り、秋は収穫への感謝を捧げる日とされてきました。
意味と由来
「社」は土地の神様(産土神)を祀る場所を指します。古来、農耕生活の中で春は種まき前の豊作祈願、秋は収穫への感謝を行う日として重要視されました。戊の日を選ぶのは、五行説で戊が「土」に当たり、土地の神様に通じるとされるためです。
風習
- 産土神社(うぶすなじんじゃ)への参拝:自分が生まれた土地の神社にお参りする。
- 春社(しゅんしゃ):豊作祈願の祭り。
- 秋社(しゅうしゃ):収穫感謝の祭り(秋祭りの原型とされる)。
計算方法
春分・秋分に最も近い戊(つちのえ)の日。十二支と十干の組み合わせにより、戊の日は12日周期で巡ります。春分・秋分の前後10日以内にある戊の日の中で、最も近い日を選びます。
八十八夜(はちじゅうはちや)
夏 立春から88日目(5月2日頃)
八十八夜は立春から数えて88日目の日で、5月2日頃になります。新茶の季節の目安とされ、「八十八夜の新茶を飲むと無病息災になる」といわれます。また、「八十八」を組み合わせると「米」の字になることから、豊作の縁起が良い日とされます。
意味と由来
「八十八」を縦に組み合わせると「米」の字になることから、豊作の縁起が良い日とされました。立春から88日目は5月2日頃で、田植えの準備や新茶の摘み取り時期の目安となります。かつては農事暦の重要な節目として広く親しまれていました。
風習
- 新茶を飲む:八十八夜の新茶を飲むと無病息災になるとされる。
- 茶摘み:茶処(静岡県、宇治、狭山など)では新茶の摘み取りが最盛期を迎える。
- 田植えの準備:農家では田植えの時期の目安とされた。
計算方法
立春(2月4日頃)から数えて88日目。立春を1日目として数えるため、立春の87日後となります。毎年5月1日または5月2日になります。
入梅(にゅうばい)
夏 太陽黄経80度の日(6月11日頃)
入梅は太陽黄経80度に達した日で、梅雨入りの時期の目安とされます。毎年6月11日頃になります。「梅雨に入る」ことを意味し、梅の実が熟する時期に降る長雨を「梅雨」と呼ぶことに由来します。
意味と由来
「入梅」は「梅雨に入る」ことを意味します。「梅雨」は梅の実が熟する時期に降る長雨であることが由来で、読み方の「つゆ」は「露(つゆ)」が訛ったもの、または「梅の実を熟さす雨(つゆ)」からきたものとされます。暦上の入梅は、日本全国どの地域でも同じ日付です。
風習
- 衣替え:夏服への衣替え(6月1日と10月1日は官公庁の衣替え)。
- 雨具の準備:傘やレインコートを整える。
- 田植え:農家では田植えの時期の目安とされる。
- 食品の保存:湿気対策、カビ予防。
計算方法
太陽黄経80度の日。国立天文台が暦要項で毎年発表します。暦上の入梅は季節の目安であり、実際の梅雨入り(気象庁発表)とは異なります。
半夏生(はんげしょう)
夏 太陽黄経100度の日(7月2日頃)
半夏生は太陽黄経100度に達した日で、7月2日頃になります。田植えが終わる目安の日とされ、農家にとっては大きな区切りでした。北陸地方を中心に「半夏生に鯛を食べる」風習が残っています。
意味と由来
「半夏(はんげ)」という薬草が生える頃という意味と、烏柄杓(からすおぎ)という植物の葉が半分白く変色する頃という説があります。五行説で夏の半ばを意味し、田植えを終える目安とされてきました。「半夏生」の「生」は「生える」を意味します。
風習
- 鯛を食べる:特に福井県・石川県・鳥取県などで、田植え終了を祝って鯛を食べる風習が残る。
- 農作業の休み:田植えが終わった農家の休息の日。
- 団子を食べる:「半夏生団子」を作って食べる地域もある。
計算方法
太陽黄経100度の日。国立天文台が暦要項で毎年発表します。毎年7月2日頃になります。
土用(どよう)
冬 春 夏 秋 各季節の最後の約18日間(年に4回)
土用は立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれ直前約18日間を指し、年に4回あります。五行説で「土」気が旺(さか)んになる時期とされます。一般に「土用」といえば夏の土用を指し、「土用の丑の日」に鰻を食べる風習が有名です。
意味と由来
「土用」は「土旺(どおう)」とも呼ばれ、五行説で土気が旺んになる時期を指します。五行(木・火・土・金・水)は四季に配当され、土は各季節の最後の18日間を受け持ちます。土用の間は土気が強まり、他の気(木・火・金・水)は弱まるとされました。
風習
- 夏の土用の丑の日:鰻(うなぎ)を食べて精をつける。「土用の丑の日」は夏の土用に入って最初の丑の日。
- 土用餅:秋の土用に餅を食べる風習(地域による)。
- 土用蛭(どようびる):薬用の蛭を食べる風習(一部地域)。
- 土用灸:土用の期間に灸をすえると効き目があるとされる。
計算方法
土用の入り(土用の始まり)は、太陽黄経で次の日付です。
- 冬の土用:太陽黄経297度(1月17日頃)〜立春
- 春の土用:太陽黄経27度(4月17日頃)〜立夏
- 夏の土用:太陽黄経117度(7月20日頃)〜立秋
- 秋の土用:太陽黄経207度(10月20日頃)〜立冬
「土用の丑の日」は、夏の土用(7月20日頃〜8月7日頃)に入ってから最初の丑の日。12日周期で丑の日が来るため、夏の土用中に2回来る年もあり、その場合は2回目を「二の丑」と呼びます。
二百十日(にひゃくとおか)
秋 立春から210日目(9月1日頃)
二百十日は立春から数えて210日目の日で、9月1日頃になります。稲の開花期に当たり、台風や暴風雨の被害が出やすい時期として、農家の厄日とされてきました。「二百十日祭」と呼ばれる風祭りも行われます。
意味と由来
立春から210日目は9月1日頃で、稲の開花期に当たります。この時期は台風の来襲が多く、農作物に大きな被害をもたらすことから、農家では厄日として警戒されてきました。風除けの祈願や風祭りが行われる地域もあります。
風習
- 風祭り(二百十日祭):暴風除けの祈願を行う地域がある。
- 農作業の休み:暴風に備えて農作業を控える。
- 祈願:神社仏閣で暴風除けを祈願する。
計算方法
立春(2月4日頃)から数えて210日目。立春を1日目として数えるため、立春の209日後となります。毎年9月1日頃になります。
二百二十日(にひゃくはつか)
秋 立春から220日目(9月11日頃)
二百二十日は立春から数えて220日目の日で、9月11日頃になります。二百十日と同様に台風の来襲が多い時期とされ、農家では再び暴風除けの祈願を行います。二百十日より10日遅れの厄日です。
意味と由来
二百十日と同様に、稲の開花期に当たり、台風や暴風雨の被害が出やすい時期とされます。二百十日(9月1日頃)の10日後に当たり、引き続き台風シーズンの厄日とされてきました。二百十日に比べると認知度は低いですが、農業関係者には知られた日です。
風習
- 暴風除けの祈願:神社仏閣で祈願する。
- 農作業の注意喚起:台風に備えた農作業管理。
計算方法
立春(2月4日頃)から数えて220日目。立春を1日目として数えるため、立春の219日後となります。毎年9月11日頃になります。
計算方法と算出根拠
雑節の計算方法は大きく2種類に分けられます。
1. 太陽黄経による算出
太陽が春分点から黄道上をどれだけ進んだかを角度(黄経)で表したものを基準にします。国立天文台が暦要項で毎年発表します。
- 入梅:太陽黄経80度
- 半夏生:太陽黄経100度
- 土用(冬):太陽黄経297度
- 土用(春):太陽黄経27度
- 土用(夏):太陽黄経117度
- 土用(秋):太陽黄経207度
2. 立春・春分・秋分を基準とした日数計算
二十四節気の特定の日(立春・春分・秋分)を基準に、日数を数えて決定します。
- 節分:立春の前日
- 彼岸:春分・秋分を中日とする前後3日ずつ計7日間
- 社日:春分・秋分に最も近い戊(つちのえ)の日
- 八十八夜:立春から88日目
- 二百十日:立春から210日目
- 二百二十日:立春から220日目
当サイトの計算について
当サイトでは、天文学計算ライブラリ(寿星天文暦に基づく)を用いて太陽黄経を計算し、国立天文台の暦要項と一致することを検証しています。計算結果はJST(日本標準時、UTC+9)に補正して表示しています。
雑節の歴史
雑節は日本独自の暦日で、二十四節気だけでは日本の気候風土や農事に合わない部分を補うために設けられました。二十四節気は古代中国で作られた暦で、中国の気候(黄河流域)に基づいているため、日本の気候とは必ずしも一致しませんでした。
成立の時期
雑節の多くは平安時代〜江戸時代にかけて定着しました。
- 節分:平安時代に宮中行事として行われたのが起源。江戸時代に豆まきが庶民に広がった。
- 彼岸:平安時代に仏教行事として定着。「彼岸会」は平安時代から行われていた。
- 社日:古代中国の「社日」の風習が日本に伝わり、神道と融合した。
- 八十八夜:江戸時代に茶の生産とともに広まった。
- 入梅・半夏生:平安時代の暦(宣明暦)に既に記載がある。
- 土用:古代中国の五行説に由来。江戸時代に「土用の丑の日=鰻」が定着した。
- 二百十日・二百二十日:江戸時代に農事暦として定着した。
現代における雑節
現代でも、節分(豆まき・恵方巻)、彼岸(お墓参り)、土用の丑の日(鰻)などは広く親しまれています。一方、社日や二百二十日などは認知度が低くなっています。しかし、農業従事者や地域の神社仏閣では、今も雑節に基づく行事が行われています。