七十二候(しちじゅうにこう)とは?読み方・意味・一覧

令和8年(2026年)版。二十四節気を約5日ごとに細分した日本の72の季節言葉を、今日の候から一覧まで網羅。
72
候の数
24
節気×3分割
約5日
1候の長さ
38
今日の候番号

今日の七十二候

今日 2026年8月15日(土)の候
第38候 / 立秋(りっしゅう)の次候
寒蝉鳴
ひぐらしなく
ひぐらしが鳴き始める。
秋の候 立秋 次候 第38候 / 72

立秋(8月7日入り)から9日目にあたり、現在は「次候」に入っています。次の節気(処暑)まではあと8日です。

今日・明日の七十二候

今日
8月15日(土)
寒蝉鳴
ひぐらしなく
立秋 次候
明日
8月16日(日)
寒蝉鳴
ひぐらしなく
立秋 次候

今後7日間の七十二候

日付曜日節気
8月16日 立秋 次候 寒蝉鳴ひぐらしなく
8月17日 立秋 末候 蒙霧升降ふかききりまとう
8月18日 立秋 末候 蒙霧升降ふかききりまとう
8月19日 立秋 末候 蒙霧升降ふかききりまとう
8月20日 立秋 末候 蒙霧升降ふかききりまとう
8月21日 立秋 末候 蒙霧升降ふかききりまとう
8月22日 立秋 末候 蒙霧升降ふかききりまとう
表示について:七十二候の日付は約5日ごとの目安です。天保暦以降、特定の日付に候を割り当てないことが原則となっており、当サイトでは各節気の入り日を起点に約5日で区切って表示しています。

七十二候とは

七十二候(しちじゅうにこう)は、二十四節気の1つ1つ(約15日間)を、さらに3つに分けて季節の移ろいを表したものです。1つの区切りを「候(こう)」と呼び、1節気につき「初候(しょこう)・次候(じこう)・末候(まっこう)」の3候、24節気×3=合計72の候があります。1候は約5日間です。

「二十四節気」の「気」と「七十二候」の「候」を合わせたものが「気候」の語源とされ、もともとは農事暦として季節の目安を示すために作られました。立春の「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」、啓蟄の「桃始笑(ももはじめてさく)」、夏至の「菖蒲華(あやめはなさく)」など、動植物や自然現象に季節を託した美しい言葉が並びます。

二十四節気 × 3分割 = 七十二候 (約5日ごと)

決まり方・計算方法

基本の考え方

二十四節気は太陽の黄経を15度ずつ24等分して決まります。七十二候は、その1節気(約15日)をさらに3等分し、前半約5日を「初候」、中間約5日を「次候」、後半約5日を「末候」とします。例えば、夏至(6月21日頃)から5日目頃までが初候「乃東枯」、次が次候「菖蒲華」、最後が末候「半夏生」と続きます。

天保暦以降の「日付割り当て廃止」

寛政暦以前は、1年の長さを72等分する「平気法」で候の入り日を決めていました。しかし天保暦(1844年)から二十四節気を定気法で定める一方で、「七十二候を日にちまで割り振ることはやめた」のが原則です(『新法暦書続編』「今亦沿之並廃配日歩法」)。懐中暦では二十四節気の欄に3つの候をまとめて記載する方式がとられ、明治7年〜17年の略本暦も同様でした。現在もこの方針が受け継がれ、国立天文台の暦要項に七十二候の日付は掲載されません。

当サイトの算出方法:二十四節気の入り日(日本標準時)を起点に、そこから約5日ごとに初候・次候・末候を当てはめて「今日の候」を表示しています。これはあくまで目安であり、年ごとの気候や地域差とは必ずしも一致しません。

例外:半夏生

半夏生だけは例外で、天保暦でも日付が記載され続けました。現在は夏至から数えて11日目頃(太陽黄経100度)を「半夏生」として雑節の一つに数えられます。もともとは夏至の末候「半夏生(はんげしょうず)」に由来します。

七十二候一覧(72候)

立春(第1候)起点の七十二候全72候の一覧です。各候の読み方と意味を併記します。

No節気候名(読み)意味
1 立春
初候
東風解凍はるかぜこおりをとく 春の東風(こち)が厚い氷を解かし始める。
2 立春
次候
黄鶯睍睆こうおうけんかんす うぐいすが山里で鳴き始める。
3 立春
末候
魚上氷うおこおりをいずる 割れた氷の間から魚が飛び出す。
4 雨水
初候
土脉潤起つちのしょううるおいおこる 雨が降り、土が湿り気を含む。
5 雨水
次候
霞始靆かすみはじめてたなびく 霞がたなびき始める。
6 雨水
末候
草木萌動そうもくめばえいずる 草木が芽吹き始める。
7 啓蟄
初候
蟄虫啓戸すごもりむしとをひらく 冬籠もりの虫が地上へ出てくる。
8 啓蟄
次候
桃始笑ももはじめてさく 桃の花が咲き始める。
9 啓蟄
末候
菜虫化蝶なむしちょうとなる 青虫が羽化して紋白蝶になる。
10 春分
初候
雀始巣すずめはじめてすくう 雀が巣を作り始める。
11 春分
次候
桜始開さくらはじめてひらく 桜の花が咲き始める。
12 春分
末候
雷乃発声かみなりすなわちこえをはっす 遠くで雷が鳴り始める。
13 清明
初候
玄鳥至つばめきたる つばめが南から渡ってくる。
14 清明
次候
鴻雁北こうがんかえる 雁が北へ渡っていく。
15 清明
末候
虹始見にじはじめてあらわる 雨上がりに虹が現れる。
16 穀雨
初候
葭始生あしはじめてしょうず 葦が芽を吹き始める。
17 穀雨
次候
霜止出苗しもやみてなえいずる 霜が終わり、稲の苗が育つ。
18 穀雨
末候
牡丹華ぼたんはなさく 牡丹の花が咲く。
19 立夏
初候
蛙始鳴かわずはじめてなく 蛙が鳴き始める。
20 立夏
次候
蚯蚓出みみずいずる みみずが地上に這い出る。
21 立夏
末候
竹笋生たけのこしょうず 竹の子が生えてくる。
22 小満
初候
蚕起食桑かいこおきてくわをはむ 蚕が桑を食べて育ち始める。
23 小満
次候
紅花栄べにばなさかう 紅花が盛んに咲く。
24 小満
末候
麦秋至むぎのときいたる 麦が熟し、麦秋を迎える。
25 芒種
初候
螳螂生かまきりしょうず 螳螂が生まれ出る。
26 芒種
次候
腐草為蛍くされたるくさほたるとなる 腐った草から蛍が生ずる。
27 芒種
末候
梅子黄うめのみきばむ 梅の実が黄ばんで熟す。
28 夏至
初候
乃東枯なつかれくさかるる 夏枯草が枯れる。
29 夏至
次候
菖蒲華あやめはなさく あやめの花が咲く。
30 夏至
末候
半夏生はんげしょうず 半夏(からすびしゃく)が生える。
31 小暑
初候
温風至あつかぜいたる あたたかい風が吹いてくる。
32 小暑
次候
蓮始開はすはじめてひらく 蓮の花が咲き始める。
33 小暑
末候
鷹乃学習たかすなわちわざをならう 鷹の幼鳥が飛び方を覚える。
34 大暑
初候
桐始結花きりはじめてはなをむすぶ 桐の実がなり始める。
35 大暑
次候
土潤溽暑つちうるおうてむしあつし 土が湿り、蒸し暑くなる。
36 大暑
末候
大雨時行たいうときどきふる 時折大雨が降る。
37 立秋
初候
涼風至すずかぜいたる 涼しい風が立ち始める。
38 立秋
次候
寒蝉鳴ひぐらしなく ひぐらしが鳴き始める。
39 立秋
末候
蒙霧升降ふかききりまとう 深い霧が立ち込める。
40 処暑
初候
綿柎開わたのはなしべひらく 綿を包む萼(がく)が開く。
41 処暑
次候
天地始粛てんちはじめてさむし ようやく暑さが鎮まる。
42 処暑
末候
禾乃登こくものすなわちみのる 穀物が実る。
43 白露
初候
草露白くさのつゆしろし 草に降りた露が白く光る。
44 白露
次候
鶺鴒鳴せきれいなく せきれいが鳴き始める。
45 白露
末候
玄鳥去つばめさる つばめが南へ帰っていく。
46 秋分
初候
雷乃収声かみなりすなわちこえをおさむ 雷が鳴らなくなる。
47 秋分
次候
蟄虫坏戸むしかくれてとをふさぐ 虫が土中の穴をふさぐ。
48 秋分
末候
水始涸みずはじめてかるる 水が干上がり始める。
49 寒露
初候
鴻雁来こうがんきたる 雁が渡ってくる。
50 寒露
次候
菊花開きくのはなひらく 菊の花が咲く。
51 寒露
末候
蟋蟀在戸きりぎりすとにあり きりぎりすが戸辺で鳴く。
52 霜降
初候
霜始降しもはじめてふる 霜が降り始める。
53 霜降
次候
霎時施こさめときどきふる 小雨がしとしと降る。
54 霜降
末候
楓蔦黄もみじつたきばむ もみじや蔦が黄葉する。
55 立冬
初候
山茶始開つばきはじめてひらく 椿の花が咲き始める。
56 立冬
次候
地始凍ちはじめてこおる 大地が凍り始める。
57 立冬
末候
金盞香きんせんかさく 水仙の花が香り咲く。
58 小雪
初候
虹蔵不見にじかくれてみえず 虹を見かけなくなる。
59 小雪
次候
朔風払葉きたかぜこのはをはらう 北風が木の葉を払いのける。
60 小雪
末候
橘始黄たちばなはじめてきばむ 橘の葉が黄葉し始める。
61 大雪
初候
閉塞成冬そらさむくふゆとなる 天地の気が塞がり冬となる。
62 大雪
次候
熊蟄穴くまあなにこもる 熊が冬籠もりのため穴に隠れる。
63 大雪
末候
鱖魚群さけのうおむらがる 鮭が群れをなして川を上る。
64 冬至
初候
乃東生なつかれくさしょうず 夏枯草が芽を出す。
65 冬至
次候
麋角解さわしかのつのおつる 大鹿が角を落とす。
66 冬至
末候
雪下出麦ゆきわたりてむぎのびる 雪の下で麦が芽を出す。
67 小寒
初候
芹乃栄せりすなわちさかう 芹がよく生育する。
68 小寒
次候
水泉動しみずあたたかをふくむ 地中で凍った泉が動き始める。
69 小寒
末候
雉始雊きじはじめてなく 雄の雉が鳴き始める。
70 大寒
初候
款冬華ふきのはなさく ふきのとうがつぼみを出す。
71 大寒
次候
水沢腹堅さわみずこおりつめる 沢に氷が厚く張りつめる。
72 大寒
末候
鶏始乳にわとりはじめてとやにつく 鶏が卵を産み始める。

春の七十二候

立春から穀雨まで。雪解けと芽吹き、桜と燕、雷と虹——万物が蘇る候が続きます。

1
東風解凍
はるかぜこおりをとく
春の東風(こち)が厚い氷を解かし始める。
立春(りっしゅん)・初候
2
黄鶯睍睆
こうおうけんかんす
うぐいすが山里で鳴き始める。
立春(りっしゅん)・次候
3
魚上氷
うおこおりをいずる
割れた氷の間から魚が飛び出す。
立春(りっしゅん)・末候
4
土脉潤起
つちのしょううるおいおこる
雨が降り、土が湿り気を含む。
雨水(うすい)・初候
5
霞始靆
かすみはじめてたなびく
霞がたなびき始める。
雨水(うすい)・次候
6
草木萌動
そうもくめばえいずる
草木が芽吹き始める。
雨水(うすい)・末候
7
蟄虫啓戸
すごもりむしとをひらく
冬籠もりの虫が地上へ出てくる。
啓蟄(けいちつ)・初候
8
桃始笑
ももはじめてさく
桃の花が咲き始める。
啓蟄(けいちつ)・次候
9
菜虫化蝶
なむしちょうとなる
青虫が羽化して紋白蝶になる。
啓蟄(けいちつ)・末候
10
雀始巣
すずめはじめてすくう
雀が巣を作り始める。
春分(しゅんぶん)・初候
11
桜始開
さくらはじめてひらく
桜の花が咲き始める。
春分(しゅんぶん)・次候
12
雷乃発声
かみなりすなわちこえをはっす
遠くで雷が鳴り始める。
春分(しゅんぶん)・末候
13
玄鳥至
つばめきたる
つばめが南から渡ってくる。
清明(せいめい)・初候
14
鴻雁北
こうがんかえる
雁が北へ渡っていく。
清明(せいめい)・次候
15
虹始見
にじはじめてあらわる
雨上がりに虹が現れる。
清明(せいめい)・末候
16
葭始生
あしはじめてしょうず
葦が芽を吹き始める。
穀雨(こくう)・初候
17
霜止出苗
しもやみてなえいずる
霜が終わり、稲の苗が育つ。
穀雨(こくう)・次候
18
牡丹華
ぼたんはなさく
牡丹の花が咲く。
穀雨(こくう)・末候

夏の七十二候

立夏から大暑まで。蛙と蛍、蓮と桐、鷹と蚕——生命が満ち溢れ、暑さが深まる候が並びます。

19
蛙始鳴
かわずはじめてなく
蛙が鳴き始める。
立夏(りっか)・初候
20
蚯蚓出
みみずいずる
みみずが地上に這い出る。
立夏(りっか)・次候
21
竹笋生
たけのこしょうず
竹の子が生えてくる。
立夏(りっか)・末候
22
蚕起食桑
かいこおきてくわをはむ
蚕が桑を食べて育ち始める。
小満(しょうまん)・初候
23
紅花栄
べにばなさかう
紅花が盛んに咲く。
小満(しょうまん)・次候
24
麦秋至
むぎのときいたる
麦が熟し、麦秋を迎える。
小満(しょうまん)・末候
25
螳螂生
かまきりしょうず
螳螂が生まれ出る。
芒種(ぼうしゅ)・初候
26
腐草為蛍
くされたるくさほたるとなる
腐った草から蛍が生ずる。
芒種(ぼうしゅ)・次候
27
梅子黄
うめのみきばむ
梅の実が黄ばんで熟す。
芒種(ぼうしゅ)・末候
28
乃東枯
なつかれくさかるる
夏枯草が枯れる。
夏至(げし)・初候
29
菖蒲華
あやめはなさく
あやめの花が咲く。
夏至(げし)・次候
30
半夏生
はんげしょうず
半夏(からすびしゃく)が生える。
夏至(げし)・末候
31
温風至
あつかぜいたる
あたたかい風が吹いてくる。
小暑(しょうしょ)・初候
32
蓮始開
はすはじめてひらく
蓮の花が咲き始める。
小暑(しょうしょ)・次候
33
鷹乃学習
たかすなわちわざをならう
鷹の幼鳥が飛び方を覚える。
小暑(しょうしょ)・末候
34
桐始結花
きりはじめてはなをむすぶ
桐の実がなり始める。
大暑(たいしょ)・初候
35
土潤溽暑
つちうるおうてむしあつし
土が湿り、蒸し暑くなる。
大暑(たいしょ)・次候
36
大雨時行
たいうときどきふる
時折大雨が降る。
大暑(たいしょ)・末候

秋の七十二候

立秋から霜降まで。涼風と露、菊と雁、紅葉と霜——夏から冬へ移ろう候が続きます。

37
涼風至
すずかぜいたる
涼しい風が立ち始める。
立秋(りっしゅう)・初候
38
寒蝉鳴
ひぐらしなく
ひぐらしが鳴き始める。
立秋(りっしゅう)・次候
39
蒙霧升降
ふかききりまとう
深い霧が立ち込める。
立秋(りっしゅう)・末候
40
綿柎開
わたのはなしべひらく
綿を包む萼(がく)が開く。
処暑(しょしょ)・初候
41
天地始粛
てんちはじめてさむし
ようやく暑さが鎮まる。
処暑(しょしょ)・次候
42
禾乃登
こくものすなわちみのる
穀物が実る。
処暑(しょしょ)・末候
43
草露白
くさのつゆしろし
草に降りた露が白く光る。
白露(はくろ)・初候
44
鶺鴒鳴
せきれいなく
せきれいが鳴き始める。
白露(はくろ)・次候
45
玄鳥去
つばめさる
つばめが南へ帰っていく。
白露(はくろ)・末候
46
雷乃収声
かみなりすなわちこえをおさむ
雷が鳴らなくなる。
秋分(しゅうぶん)・初候
47
蟄虫坏戸
むしかくれてとをふさぐ
虫が土中の穴をふさぐ。
秋分(しゅうぶん)・次候
48
水始涸
みずはじめてかるる
水が干上がり始める。
秋分(しゅうぶん)・末候
49
鴻雁来
こうがんきたる
雁が渡ってくる。
寒露(かんろ)・初候
50
菊花開
きくのはなひらく
菊の花が咲く。
寒露(かんろ)・次候
51
蟋蟀在戸
きりぎりすとにあり
きりぎりすが戸辺で鳴く。
寒露(かんろ)・末候
52
霜始降
しもはじめてふる
霜が降り始める。
霜降(そうこう)・初候
53
霎時施
こさめときどきふる
小雨がしとしと降る。
霜降(そうこう)・次候
54
楓蔦黄
もみじつたきばむ
もみじや蔦が黄葉する。
霜降(そうこう)・末候

冬の七十二候

立冬から大寒まで。凍てつく大地と雪、角を落とす鹿と冬籠もりの熊——静寂と萌芽が同居します。

55
山茶始開
つばきはじめてひらく
椿の花が咲き始める。
立冬(りっとう)・初候
56
地始凍
ちはじめてこおる
大地が凍り始める。
立冬(りっとう)・次候
57
金盞香
きんせんかさく
水仙の花が香り咲く。
立冬(りっとう)・末候
58
虹蔵不見
にじかくれてみえず
虹を見かけなくなる。
小雪(しょうせつ)・初候
59
朔風払葉
きたかぜこのはをはらう
北風が木の葉を払いのける。
小雪(しょうせつ)・次候
60
橘始黄
たちばなはじめてきばむ
橘の葉が黄葉し始める。
小雪(しょうせつ)・末候
61
閉塞成冬
そらさむくふゆとなる
天地の気が塞がり冬となる。
大雪(たいせつ)・初候
62
熊蟄穴
くまあなにこもる
熊が冬籠もりのため穴に隠れる。
大雪(たいせつ)・次候
63
鱖魚群
さけのうおむらがる
鮭が群れをなして川を上る。
大雪(たいせつ)・末候
64
乃東生
なつかれくさしょうず
夏枯草が芽を出す。
冬至(とうじ)・初候
65
麋角解
さわしかのつのおつる
大鹿が角を落とす。
冬至(とうじ)・次候
66
雪下出麦
ゆきわたりてむぎのびる
雪の下で麦が芽を出す。
冬至(とうじ)・末候
67
芹乃栄
せりすなわちさかう
芹がよく生育する。
小寒(しょうかん)・初候
68
水泉動
しみずあたたかをふくむ
地中で凍った泉が動き始める。
小寒(しょうかん)・次候
69
雉始雊
きじはじめてなく
雄の雉が鳴き始める。
小寒(しょうかん)・末候
70
款冬華
ふきのはなさく
ふきのとうがつぼみを出す。
大寒(だいかん)・初候
71
水沢腹堅
さわみずこおりつめる
沢に氷が厚く張りつめる。
大寒(だいかん)・次候
72
鶏始乳
にわとりはじめてとやにつく
鶏が卵を産み始める。
大寒(だいかん)・末候

日本の七十二候と中国の違い

七十二候は古代中国で生まれ、日本には暦とともに伝来しました。当初は中国渡来の候がそのまま使われていましたが、江戸時代前期の天文暦学者・渋川春海(しぶかわ しゅんかい)が貞享暦(1685年)を作る際、日本の気候や生物に合わせて改訂しました(新制七十二候)。その後 宝暦暦(1755年)でも一部が修正され、現在の日本式七十二候になりました。

代表的な改訂例(春分)

  • 中国式:玄鳥至(つばめ来る)・雷乃発声(雷鳴がとどろく)・始電(稲光が初めて光る)
  • 日本式:雀始巣(すずめが巣を作る)・桜始開(桜が咲き始める)・雷乃発声(雷が鳴り始める)

このように、日本では桜や雀など日本の風物に置き換えられ、より日本の季節感に近づけられました。国立天文台 暦Wikiによれば、改訂によって概ね非科学的な内容はなくなりましたが、「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」のように最後まで残った候もあります。

歴史と起源

古代中国での成立

七十二候の原型は古代中国に求められます。『呂氏春秋(ろししゅんじゅう)』に記された季節の記事を、漢の儒者が『礼記(らいき)』月令に載せて伝えたものが原型とされます(国立天文台 暦Wiki)。北魏の「正光暦」から暦に記載されるようになり、その後 各時代の暦で改訂が重ねられました。

日本への伝来と渋川春海の改訂

日本には暦とともに伝来し、長く中国渡来の候がそのまま使われていました。江戸時代に入ると、800年余り続いた宣明暦に代わって、渋川春海が日本初の国産暦法「貞享暦」を作成(貞享2年=1685年施行)。この際、春海は七十二候を日本の気候・生物に合わせて改訂し、新制七十二候を定めました。その後 宝暦暦(1755年)でも一部が修正され、現在に至っています。

明治改暦と現代

明治6年(1873年)のグレゴリオ暦採用後も、七十二候は暦注として存続しました。ただし天保暦以来「日付に割り振らない」方針が継承され、明治7年〜17年の略本暦では各節気の欄に3候をまとめて記載する方式がとられました。現在、国立天文台が発行する「暦要項」には二十四節気や雑節は掲載されますが、七十二候の日付は掲載されません。半夏生だけは例外で、雑節として現在も日付が示されています。

現代での楽しみ方

七十二候は農事暦として作られましたが、現代では実用的な指標というより、季節の移ろいを味わう文化的な言葉として親しまれています。いくつかの楽しみ方を紹介します。

手帳・カレンダーに書き添える

今日の候を手帳やカレンダーの余白に書き添えるだけで、1日の始まりに季節を意識できます。「東風解凍」「桃始笑」「菖蒲華」「霜始降」など、五文字の候名は簡潔で美しく、書くほどに季語の世界が身近になります。

俳句や季節の手紙の言葉選び

七十二候の多くは「うぐいすが鳴く」「桜が咲く」「ひぐらしが鳴く」「雁が渡る」など、俳句の季語と重なります。候名をたどると季語の背景にある自然のタイミングが見え、季節の手紙や挨拶文の言葉選びにも役立ちます。

暮らしと自然の観察

「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」「虹始見(にじはじめてあらわる)」「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」など、候は身近な自然の変化を教えてくれます。子どもと一緒に「今の候」を確かめながら散歩すれば、五感で季節を捉えるきっかけになります。

よくある質問(FAQ)

七十二候とは何ですか?
七十二候(しちじゅうにこう)は、二十四節気をさらに3つ(初候・次候・末候)に分け、季節の移ろいを動植物や自然現象で表した72の言葉です。1つの節気(約15日)を約5日ごとに区切り、合計72あります。「二十四節気」の「気」と「七十二候」の「候」を合わせて「気候」の語源になったともされます。
七十二候の読み方は?
「しちじゅうにこう」と読みます。「ななじゅうにこう」と読む人もいますが、暦の用語としては「しちじゅうにこう」が一般的です。
七十二候はどうやって決まるのですか?
現在は、二十四節気の各節気(約15日間)を3等分し、約5日ごとに初候・次候・末候を当てはめて決めます。ただし、天保暦(1844年)以降は「七十二候を特定の日付に割り振ることはやめた」のが原則で、現在も約5日ごとの目安として扱われます(国立天文台 暦Wiki「七十二候の定め方」)。
初候・次候・末候とは?
1つの節気(約15日)を3つに分けたものです。前半約5日を「初候(しょこう)」、中間約5日を「次候(じこう)」、後半約5日を「末候(まっこう)」と呼びます。例えば立春なら、初候「東風解凍」・次候「黄鶯睍睆」・末候「魚上氷」と続きます。
日本の七十二候と中国の七十二候の違いは?
もともと古代中国で生まれた七十二候は、江戸前期の天文暦学者・渋川春海(しぶかわ しゅんかい)が貞享暦(1685年)を作る際、日本の気候や生物に合わせて改訂しました(新制七十二候)。その後 宝暦暦でも一部修正され、現在の日本式七十二候になりました。例えば春分は、中国式では「玄鳥至・雷乃発声・始電」だったものが、日本では「雀始巣・桜始開・雷乃発声」と桜や雀など日本の風物に置き換えられています。
七十二候は今のカレンダーにも載っていますか?
二十四節気や雑節は国立天文台の「暦要項」に掲載されますが、七十二候の日付は掲載されません。これは天保暦以来「七十二候を日付に割り振らない」という方針が続いているためです。ただし、懐中暦や一部の手帳・カレンダーでは、各節気の欄に3つの候をまとめて記載することがあります。
七十二候と俳句の季語の関係は?
七十二候の多くは「うぐいすが鳴く」「桜が咲く」「ひぐらしが鳴く」「霜が降りる」など、季節を感じる自然現象を表しており、俳句の季語と重なるものが少なくありません。季語の背景にある季節感を七十二候から辿ると、一句の情景がより立ち上がります。
二十四節気と七十二候の違いは?
二十四節気は1年を24に分けた季節の区切り(約15日ごと)で、七十二候はそれをさらに3分割したもの(約5日ごと)です。二十四節気が「季節の大まかな区切り」だとすれば、七十二候は「より細かい季節の移ろい」と言えます。二十四節気の立春・夏至・冬至などは広く知られていますが、七十二候はその中で何が起きているかを具体的に描きます。
半夏生(はんげしょう)は七十二候ですか?
はい。半夏生は元々 夏至の末候「半夏生(はんげしょうず)」で、夏至から数えて11日目頃(黄経100度)を指します。七十二候のうち半夏生だけは例外として、天保暦でも日付が記載され続け、現在では雑節の一つとして「半夏生」の名で独立した暦日になっています。
七十二候は何の役に立ちますか?
農事暦として作られた歴史がありますが、現代では実用的な指標というより、季節の移ろいを味わい、自然のリズムを感じる文化的な視点として親しまれています。手帳に今日の候を書き添えたり、俳句や季節の手紙、暮らしの言葉として楽しむ人が増えています。

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